パーキンソン病

パーキンソン病

Published: 2025年6月30日Updated: 2025年6月30日
フィットネス

現在、パーキンソン病について、調べながら患者さんのリハビリを行なっています。

パーキンソン病(Parkinson's Disease)は、イギリスの医師*ジェームズ・パーキンソン(James Parkinson, 1755-1824)**が発見しました。

パーキンソン病の発見の経緯

1817年:ジェームズ・パーキンソンは、著書「An Essay on the Shaking Palsy(振戦麻痺に関する論文)」を発表。

この論文で、彼は6人の患者を観察し、手足の震え、筋肉の硬直、動作の遅れといった特徴的な症状を記載しました。

パーキンソンは、この病気を「振戦麻痺(Shaking Palsy)」と名付けましたが、後にフランスの神経学者**ジャン=マルタン・シャルコー(Jean-Martin Charcot)**が、この病気に敬意を表し「パーキンソン病(Maladie de Parkinson)」と命名しました。


パーキンソン病とは?

パーキンソン病は、中枢神経系に影響を及ぼす神経変性疾患の一つです。脳の「黒質(こくしつ)」と呼ばれる部分でドーパミンを分泌する神経細胞が徐々に減少し、体の動きに関わるさまざまな症状が現れます。

【パーキンソン病の主な症状】

1. 運動症状振戦(しんせん):手足の震え(特に安静時に顕著)筋強剛(リジディティ):筋肉が硬くなり、関節が動かしにくい無動・動作緩慢:動きが遅く、表情も乏しくなる(仮面様顔貌)姿勢反射障害:バランスが取りにくく、転倒しやすい

2. 非運動症状

  • 便秘:自律神経の影響で腸の動きが低下
  • 睡眠障害:不眠、REM睡眠行動障害(夢を見ながら暴れる)
  • 認知機能障害:記憶力や判断力の低下
  • 抑うつ・不安:精神的な症状が現れることも
  • 【発症原因】

    ドーパミン神経細胞の減少:脳内のドーパミンが不足し、運動の制御が難しくなる

    αシヌクレインというタンパク質の異常:異常な塊(レビー小体)が神経細胞に蓄積

    遺伝的要因:一部の家族性パーキンソン病が確認されている

    環境要因:農薬や重金属への曝露がリスクになる可能性


    ⚕️【診断方法】
  • 神経学的検査:医師による運動症状の評価
  • 画像診断:MRI、SPECT(ドーパミントランスポーターイメージング)
  • 血液検査:パーキンソン病特有のマーカーはなく、他疾患の除外のため

  • 【治療方法】

    1. 薬物療法

  • レボドパ(L-DOPA):最も効果的な治療薬(ドーパミンの補充)
  • ドーパミンアゴニスト:ドーパミン受容体を刺激
  • MAO-B阻害薬:ドーパミンの分解を抑える
  • COMT阻害薬:レボドパの効果を長持ちさせる
  • 2. リハビリテーション

  • 歩行訓練、バランス訓練、筋力トレーニング
  • 音楽療法、ダンス、ヨガなども効果が報告されている
  • 3. 外科的治療

  • 脳深部刺激療法(DBS):電極を脳に埋め込み、運動症状を抑制

  • 【生活上の注意】
  • 転倒予防:歩行補助具や手すりを活用
  • 便秘対策:食物繊維や水分を多く摂る
  • 適度な運動:無理のない範囲でリハビリを続ける
  • メンタルケア:うつや不安のサポートも重要